彫り屋の裏話

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 TOP > 彫り屋の裏話 > 四章
 


山梨唯一の銘木店で手に入れた木札の材。
この欅(けやき)という広葉樹、広葉樹ならでは欅ならではの欠点というか特性に苦労する事となる。
まず第一に堅い、第二に木札のサイズでも右と左、表と裏全て堅さが違うことから同じ早さで彫刻できない。
例えば十枚の注文を戴いたとして、同じ彫りが可能か?
無理なのである、細かい文字に関して言えば1枚目は綺麗に彫れても二枚目は文字が潰れてしまう。
これでは商品として成り立たない。
まあ、この時点で未だ商売にしようという大胆な気持ちはないのだが、折角高価な機械、銘木と呼ばれる材を無駄にしたく無かった。
結局、数十枚の木札を彫り、速度、深さを見極めるという面倒な作業に入ったのだが、銘木店に切断を依頼した材だけでは到底足りなかった。

一週間くらいだろうか?銘木店に再び依頼したのである。
そこで初めて「彫り屋(未だ店名など無い)」の木札を銘木店の担当の方に見て頂いた。
「いいですね!刃物で彫っているところが良いですよ!」
「ウチにもレーザー彫りのプレートがありますが、味が違います!」
この言葉で商売になるのでは?と、安易に考えた。
その後、この担当者が社長の息子さん、いわゆる2代目だった事が判明し協力をして頂くことになる。
さあ、ここからが「彫り屋」としての本当の始まりである!
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